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この敷地は、生駒山の中腹に位置している。東側からの接道による旗竿地であるが、西側には都心を超え大阪湾、空気が澄んでいる日には明石海峡大橋、そして六甲連山まで見渡せる眺望があり、春には北側の桜の群生を眼下にみることができる。都心に住むクライアントが、この高台の敷地を購入するきっかけはこの眺望だった。リビングからこの眺望を楽しめるようにしたいと考えていた。また、今までマンション暮らしだったため、天井の高いリビングに憧れているとのことであった。この眺望をどのようにして効果的に生活の一部に取り込んでいくのかというのが最大のテーマだった。


2階にLDKを配置することとし、将来の周辺環境の変化や景色を取り入れるためにも高度を確保するには最適だと考えた。また全面道路のL字路に面している旗竿地の竿の部分に玄関ホールを配置した。この玄関ホールは道路からの視界が抜けるように透明感のある空間とした。縦に切り取った景色に対し階段を交差させ視線の変化を誘導することで、LDKの眺望に期待を感じさせる装置として機能させている。階段を登りきれば天井と壁の切り込みからLDKに接続することができる。天井の高い空間にL型に配置した額縁を持つ奥行きのあるバルコニーは、立体的に効果的に景色を切り取り引込む。奥行きのあるバルコニーには、入側縁から外縁へという日本的関係性を作ることで内部から外部に向かって緩やかな連続性を築いている。天井は変形したイエ型で登梁を現しで仕上げている。


自然な感じで視線が屋外に流れることは、梁の流れ方向が大きく影響を与えていると思う。そのため方向の違う棟木や母屋を敢えて取付けない構造としている。最後に圧倒的な景色に対しては、複雑な建築的構成より、素直な景色の取り入れ方と明確なストーリーが適していると感じて極力シンプルな構成を目指している。結果的に、外部の景色を力強く自然な形で取り入れることができた。揺らぎのある景色は日常生活の一瞬一瞬に移ろいを感じさせることと思う。


☆AWARD

 2017 アイカ施工例コンテスト 優秀賞

 
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